セキュリティQRコード(DSQRコード)

 QRコードに、通常のQRコードリーダーでは読めない情報の埋め込み(電子透かし)を付加します。チケットや金券の偽造防止に極めて有効です。チケット転売防止にも有効です。


DSQRコードの概要

 

 DSQRコードは、通常のQRコードの情報に加えて、隠し文字が入れられます(右図)。
 DSQRコードを通常のQRコードリーダーで読むと、通常の文字だけが読まれます。DSQRコードが読み取れるQRコードリーダーで読むと、通常の文字の他に隠し文字が読み取れます。

 

 

 下図(左)は従来の普通のQRコードです。スマホなど数多くの端末で読み取れて便利ですが、情報の安全性の点では無防備です。

 


 下図(右)は、既存の暗号化QRコードです。QRコード作成時の暗号(共通鍵)を用いてQRコードの内容が解読できます。ただ、通常のQRコードリーダーで読むと、意味不明な文字群となることから、誰もが読めるというQRコード本来の機能が生かせず、また、暗号化されていることが分ってしまいます。さらに、暗号(共通鍵)の漏洩防止管理が難しく、内部犯の例も報告されています。

従来のQRコード(普通のQRコード)

既存の暗号化QRコード




DSQRコードの応用


 誰もが読めるというQRコードの特長を保ちつつ、さりげなく秘密情報が埋め込めるDSQRコードは、入場チケットなどの本人確認などに最適です。右図は、入場チケットのDSQRコードに秘匿情報として誕生日を入力する例です。入場者の誕生日を確認して入場チェックを行います。

 応用例のスライドシェアもご覧ください。
宝くじや金券なのど安全強化
コンサートやイベントなどの入場券安全強化

 なお、DSQRコードは、作成ソフトを使ってPCで作成可能です。



DSQRコード(digital signature type QR code)の主な特徴
 1)ECDSA( Elliptic Curve Digital Signature Algorithm )によるデジタル署名技術にて高いセキュリティを実現可能
2)QRコードリーダーに秘密鍵の実装が不要なため、偽造が不可能
3)専用のQRコードリーダーでしか読めない秘匿情報が格納でき、これが電子透かしとして機能
4)秘匿データの安全性に加え、非秘匿データが汎用QRコードにて読取可能
(したがって、秘匿データの存在に気づかれない)
5)オフラインによる真偽判定が可能

DSQRコードのスマホでの読取り(動画)

DSQRコードリーダーは、スマホ用アプリと、PC用プログラムの2種類を用意しております。



参考文献:
先名健一「個人認証機能を有するデジタル署名型QRコード」
電子情報通信学会技術研究報告, vol. 117, no. 40, EMM2017-11, pp. 61-66, 2017年5月.

 

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